〔044〕五台山 (655m)

2014年10月15日


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兵庫県氷上町
'14年台風11号(ウィキペデアより)
確認されている死者は1名、負傷者は重軽傷含めて77名。台風の接近した8月8日以降、北海道から沖縄県までの広範囲で強風や豪雨による住宅への被害が相次ぎ、兵庫県や奈良県、徳島県、大雨の特別警報が出た三重県を中心に床上・床下浸水合わせて3,260棟。また、10日に突風被害が出た栃木県での234棟を含めて623棟が一部破損。全半壊が12棟となっている。

台風11号による大水害
台風11号による丹波市の大水害は知っていたが、そんなの8月のことであり、記憶からはなくなっていた。ましてこの水害のメインが五台山中心だとはまったく知らなかった。五台山登山道の壮絶な水害には驚くしかなかった。生活道路では無いので復旧は当分望めないだろう。
五台山登山
本来はしては行けない山歩きだろうが、恐ろしいまでの水害によるキズ跡を見れたことは個人的には有意義であったし、記憶に残る山歩きが出来たと思っている。
岩瀧寺の紅葉
岩瀧寺は紅葉の名所になっているが、関西の紅葉にはまだ早く、10月末にならないと紅葉は始まらないと思う。山頂付近には少し紅葉が始まっている樹木もあったが、五台山には登らない方が良いでしょう。

Road Map :国道175号線を柏原から県道7号線に入り香良から登山口へ。
Route Map:岩瀧寺からの参道は崩壊していたが、美和峠から鷹取山、小野寺山を経由して五台山へ、
             下山は小峠分岐からイリズミ谷へ下るが、登山道も残っていない程、崩壊していた。
    標高差:507m
累積標高差:979m
兵庫100山』   岩瀧寺周辺は台風11号の豪雨で崩壊しており、登山道も崩壊で無くなっていた。
登り:2時間55分(岩瀧寺〜美和峠〜鷹取山〜小野寺山〜五台山)
下り:1時間47分
(五台山〜小峠〜イリズミ谷)
コースタイム:4時間47分
毎度お馴染み県道283号線から見た”五台山” いつもと違うのは周回予定の”鷹取山”が加わったこと。
駐車場の横にある案内板にはつらつらと書かれ過ぎで読む気がしない。
ハイカー用無料駐車場に車を停めて8時10分に出発する。
今日は全国的に晴天のはずが、丹波地方はベタ曇りであった。
”岩瀧寺”へ通じる石の橋が姿を消していた。これは何事だ!
”岩瀧寺”への参道入口には”通行止”の立て看板が出ていたが、張り紙には参拝者は奥の駐車場までお進み下さいと書かれていたので、この時点では何事も無い様に思えたが・・・
もう少し上流側の橋も無くなり、鉄製の仮設橋に替わっていた。橋入口には入山禁止の張り紙があり、日付からは台風11号の豪雨で全てが流されてしまった様だ。
この張り紙は見なかったことにして五台山へ登ることにする。
豪雨の濁流に全てが流されたのであろう想像を絶する豹変をしていた。
こうなるとどこが浅山不動尊への参道なのかまったく判らない。五台山まで行けるのだろうか? 不安になって来た。瓦礫を乗り越えて進んで行く。
対岸に渡る橋があったはずだが、橋の片鱗も見当たらない。一昨日の台風19号の影響で水量は多いが、飛び石で対岸に渡る。
ここの光景を見て愕然とする。参道の石階段の下半分が無くなっている。ここに岩瀧寺の尼さんが来ていて 「これ以上は危ないから止めときなさい。」と助言してくれたが、崩壊個所を避けて右の斜面を攀じ登ることにした。
登りは良いとしても、ここからは下りたくない。イリズミ谷側へ周回しようと思う。
(現段階ではイリズミ谷も崩壊していることを知らなかった。)
参道石階段に取り付いて下流側を見る。階段はスコンと抜けており、手摺りもグッシャリと曲げられていた。
浅山不動尊”に着く。見所は割れ目洞窟奥の仏像であるが、以前に見ているので今回は見送る。今日はショックが多くゆっくりと見物する精神状態ではない。
落差18mの”独鈷の滝”に着くが、以前見た時と様子がかなり変わってしまっている。独鈷の滝名を刻んだ大きな石碑が右側にあったが、それが無くなっていた。
心配なのは美和峠までの登山道が濁流で崩壊していないかである。
”美和峠”への分岐に着く。予定では五台山に先に登って鷹取山経由でここに下ってくるはずであったが・・・
”不二の滝”は無事なのか? 登山道を離れて沢に下りて行く。
登山道の路面はかなり洗われているが、以前と変わらない感じがした。
沢に下りて”不二の滝”の滝壷に向う。一見、豪雨の影響は受けていない様に見えたが、滝周辺の草木が全て洗い流されていた。
”不二の滝”を横から見る。これは登山道から見ることが出来る。
同じく滝口から”不二の滝”を見る。
登山道としては一番雰囲気の良い所を進んでいると、仰天する光景に出くわす。登山道ごと、
ごっそりとそぎ落とされ登山道は全て持って行かれて無くなっている。奥には新しい滝も出来ていた。周辺を見渡してトラバース出来そうな箇所を探すが、どこまでトラバースすれば登山道と出合えるのか判らないし、更に崩壊が続いているかも知れないので美和峠分岐まで引返す。
台風11号通過前の同地点と台風11号通過後の同地点を見比べる。
こちらの登山道も雨水で洗い流された状態で下草はまったく見られない。
”美和峠分岐”に戻り、美和峠から鷹取山を先に登ることにした。こちらのコースなら安全に歩ける保障は何もなく、同様に崩壊個所がある可能性は充分にある。
分岐点には大岩に大きな字で美和峠への道標がされていた。
途中に”五台山”への分岐があり、この道で崩壊個所を迂回出来るのであれば予定通りの周回が出来るのであるが、登山道入口にはクローズのロープが張られていた。これ以上にヤバイことはしたくないので、美和峠に向けて進むことにする。
どこでも登れる斜面になってきた。空が見え出したので、どこを登って
も尾根に出られる感じであるが、出来るだけ登山道、踏み跡を追いたい。
登山道はあったのか、豪雨で洗い流されたのか、道標、マーキングが無いので方向決めに苦労する。
支尾根まで登ると登山道ははっきりして来た。これで快調に五台山まで行けると思ったが甘かった。
微かな踏み跡を見付け、それに従うが、それすら雨水で流され靴幅分しか無い箇所もあった。ここで道が崩れても泥だらけになるだけだろう。
倒木は斜面崩落のものだった。雨水で深く抉られており、上部に迂回して横断を済ます。
快適な登山道を歩いていると、前方に倒木帯が見えて来た。
崩落帯を過ぎると快適な道に戻る。
崩落の土砂は一昨日の台風19号の雨水を含み更に崩れそうな状態になっていた。柔らかい土砂にステップを切りながら横断した。
遠回りとなったが1時間29分にて”美和峠”に着く。
”美和峠”が見えて来た。これで五台山への道に一区切り付きそうだ。
終始、展望の利かない道ではあるが、途中1ヶ所に休息ベンチが設けられ、そこが展望所の代りとなっていた。
美和峠からは主尾根歩きとなり、登山道は広くしっかりした道となり、小さく登り下りを繰り返しながら進んで行く。
勾配も距離も大した登りではなかった。
縦走尾根道は”鷹取山”への登りとなってくる。
1時間47分にて”鷹取山”(566m)に着く。以前、小野寺山から鷹取山を見た時、薮山と予想してしまったが、東側180°が見渡せる大展望の山頂だった。鳥瞰図も4方向にあり、今日は同定出来そうだ。
”鷹取山”の山頂が見え出した。
もう一つ、三角点には”香良三角点”の表示があり、どれか一つにまとめて貰いたいものだ。
鷹取山の山頂表示には”氷上槍”の表示が見られた。槍を語る姿勢は兎も角として、下り側の勾配は相当きつい様だ。
鷹取山の山頂から北方向を見る。鳥瞰図によると小さな尖がりが”親不知”らしい。そう言えば'12年3月に”親不知”に登った時に”五台山”を眺めていた。
同じく山頂から南方向を見ると”鷹取山”と尾根続きの”愛宕山”と呼び名が同じ”五大山”が望めた。
同じく山頂から南西方向の”妙高山”周辺を見る。”妙高山”にも'12年3月に登っているが山頂は展望の無い薮山だった。
”城山”を基点にズームしてみると、篠山市の山々が望めたがドングリの背比べなので同定は出来ていない。
”鷹取山”の山頂では展望を眺めながら7分程休憩して下山に入る。下山を始めて直ぐに急斜面を感じるが大したことは無かった。
1枚斜面なので急には感じるが勾配としてはそうでも無かった。それよりも登山道としての踏み跡があるのが嬉しかった。
主尾根の道は水害の影響がまったく感じられなかった。
下ること14分にて最鞍部に着く。”分水界の径”とはこの尾根筋の登山道を指している様であり、同じ標識が数箇所に立てられていた。杭には”氷上高年低山会”と謙虚なクラブ名が書かれていた。
登山道はしばらく林道と平行に進むが、ここからは林道と離れて行く。
昔からあったのか最近出来たのか判らないが綺麗な林道に出くわした。路面にはタイヤ痕が見られないので、ここしばらくは車が走っていない様だ。どこに通じている林道なのかが気になる。
しっかりとした登山道が続き、小さく登り下りを繰り返して行く。
珍しく岩道となったが、ここだけの一瞬だけだった。
大きな岩峰が現れた。正面突破とは行かず、左側に迂回して上るが、それ以後の岩峰は無く、ここだけの物だった。
2時間44分にて”小野寺山”(645m)に着く。展望台と呼ばれているだけあって略360°の展望が得られている。
”小野寺山”には2回来たことがあるが、以前には無かった立派な鳥瞰図が設置されていた。
山頂から真北方向の展望。どれも”鷹取山”から見た景観と変わり無し。
山頂から北方向の展望。
山頂から西方向の丹波市の山々。”安全山”にはバイクにて楽チン登山をしたことがある。
山頂から南方向に見える山々。”鷹取山”からも随分離れた。かつて”小野寺山”に登った時に、ここから”鷹取山”を見て 薮山に違いないと思い、行かなかった記憶がある。
山頂から南南西方向を見る。どこかの山が同定出きれば横並びで同定出来るのであるが、有力な山が見当たらない。
”小野寺山”から”五台山”に足を進める。この辺りは5月に訪れた時にはシャクナゲの花が満開だった。
2時間51分にて分岐に着く。登山道の崩壊が無ければ2時間前にここに着いていたはずなのだが・・・
山頂には立木を利用したハンガーが2ヶ所に設置されていた。これは便利だ、さっそく利用させて頂く。
分岐からひと登りして2時間55分にて”五台山”(665m)に着く。
以前来た時は丸太が朽ちて立入り禁止状態のボロボロだった”展望テラス”は新しく作り直されていた。
折角、ここまで整備しているのに登山道崩壊には関係者はがっかりしていることだろう。
どこの山頂から見ても変わりはないが、西側の展望を見る。
美和峠に出るまでに出くわした崩壊帯はここから見えているハゲ部分だと思う。
山頂より北側の山々を見る。こうして見ると篠山市、丹波市は平地が少なく山ばかりだ。
他の登山道崩壊を気にしながら”小峠”に下って行く。
山頂で5分休憩後、下山に入り分岐に戻る。名水案内があったが水を飲むために往復800mは無いだろうと思った。
イリズミ谷への登山道は落葉が堆積し荒れ放題。倒木も沢山出て来るが、今の所は問題無く歩けた。
下山24分でイリズミ谷への分岐である”小峠”に着いた。
問題はここからである。登山道はしっかり付いているのだろうか? 崩壊はしていないのであろうか? と心配になってくる。
下の方に心配していた倒木帯が見え出した。さて状況はどうなっているのか。
倒木帯は崖崩れによる崩壊の影響だった。ここで登山道は無くなってしまう。取り合えず安全圏に避難する。
下流側を見るとかなり下まで土砂崩れは続いている。心配なのがこれがイリズミ谷なのか? だとしたら谷のどちら側に登山道が付いていたのか、それとも谷沿いが登山道だったのか? これがイリズミ谷だとして、この谷沿いを下山することにした。違っていれば命取りになってしまうが。
これも台風11号による被害なのだろうか。かなり大規模に崩落している。
登山道の痕跡が見付からず精神的に弱って来た頃、遠く前方に赤テープを見付ける事が出来た。大袈裟だと思うが”助かった!”の声を発してしまった。ここまでの時間がヤケに長く感じた。
一旦は傾斜が緩く安全そうな右岸に渡り、傾斜が急になって来た箇所から左岸に横断する。その間は倒木だらけのアスレチックとなる。
左岸を下っていくと、更に赤テープを見付けることが出来た。ここはイリズミ谷で間違いなさそうだ。この後、赤テープを見付けることは出来なかった。
赤テープを見付けることが出来たが、登山道は洪水で洗われて踏み跡は残っていない。それどころか全て削り取られている。
下山1時間13分にて林道に出ることが出来た。これで又”助かった!”であるが、左右どちらに進んで良いのか判らない。無難と思われる下り
方向に進路を取る。
下って行くに従い、登山道らしい雰囲気になって来る。
前方に林道らしい物が見え出した。
林道の以前の状態を知らないが、洪水により完全に崩壊していた。
コンクリートで舗装された部分は姿を留めていたが、そこにも流木、流石が堆積していてとうせんぼ状態になっていた。
通れない程に抉られた林道。
コンクリートの舗装面は残っているが、その下は雨水により完全に抉り取られていた。ここまでの災害を残す洪水はどんなもんだったのだろうか。恐るべし!である。
林道に通行止めゲートがあったが、ここから20m先で林道は崩壊して無くなっている。ゲート前には広い駐車スペースがあった。
上流から流れて来た岩が堆積している。林道も登山道も痕跡す
ら無くなっている。ここの赤テープは何を意味してるんだろう。
次に獣避けゲートが出て来たが、ロックはビニールテープでぐるぐる巻きだったので、外すのが邪魔臭く、横の隙間を通り抜けた。
イリズミ谷を離れると”洪水があったの?”と思うほどの普通に道になっていた。
香良病院の横を通り、一般道路に出ることが出来た。下山時には色々心配したが、予定通りの道で下山することが出来た。
一般道を5分歩き、下山1時間47分にて駐車場に戻る。
丹波新聞より抜粋
市島と氷上にまたがる五台山を囲むように、市島町前山、竹田、美和、氷上町幸世、中央、春日町船城、黒井の各地区などで被害が出ている。
ごだいさん