〔052〕富士山
2011年09月11日
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静岡県富士宮市

標高差:1,389m
ナイトハイクはつまらない
御来光を見る為に夜中に出発するナイトハイクが富士山ではSTD化しているが、真っ暗で何も見えないナイトハイクは濃いガスの中を歩いているのと同じで、景色を見ることなく黙々と歩くだけで実につまらなく感じた。御来光を見る為の山小屋泊まりも同じで、どこの山から見ても同じお陽さんなので、富士山の御来光だけが特別とは感じなかった。
恐るべし富士登山ブーム
山開き中のたった2ヶ月間で30万人が登る富士山の混雑を嫌って閉山後に登ってみたが、それでもアルプスの高山では見られないファミリーハイカー、外国人で一杯だった。山開き中はこんなもんではなく、登山道が数珠繋ぎの大停滞になるらしい。駐車場も何kmも離れた道路に停めなければいけない程混むことになるらしい。アルピニストは富士山に登らないはずだ。
富士登山ブームがまったくない'69年10月に登った時は人っ子一人居ない静か過ぎる山だったことを記憶している。
Road Map :東名自動車道を富士ICから西富士道に入り、富士山スカイラインから新五合目に至る。
Route Map:新五合目登山口から剣ヶ峰に登り、お鉢回りをして下山時は宝永山に行くつもりであったが・・・
剣ヶ峰:3,776m
白山岳:3,756m
コースタイム:7時間05分        
登り:4時間01分
お鉢廻り:1時間06      
下り:2時間03分

前日の様子
新五合目の駐車場から見た富士山山頂。昔(42年前)この光景を見て山頂は直ぐそこと勘違いして水も持たずに登ったのが初めての富士登山。それ以来、山嫌いになっている。
富士山スカイラインにて新五合目に向かう途中の西臼塚駐車場から見た富士山は雲一つない状態だった。明日の天気予報は曇りなので一日遅れた感じだ。
夕刻に新五合目に着いたので、登山口の直ぐ近くに車を停めることが出来たが、下の駐車場から道路まで車で一杯だ。市街地は気温33℃であったが、標高2400mの新五合目は気温25℃まで下がり、気持ちの良い涼しさだ。ブラブラと散歩するが、する事もなく、500ccの缶チューハイを2本呑み干し、5時に就寝する。標高2400mで一泊すれば多少は高所順応にもなるだろう。
明るくなってから登り始める予定であったが、夜中0時に目が覚めた時、周辺の車からヘッデンを付けて続々と出発するハイカーの姿が見えた。既に7時間も寝ているので、俺も初のナイトハイクに挑戦してみることにした。急ぐ必要はないのでゆっくりと用意する。
星空の元、遠く市街地の夜景を見ながら穏やかな道を進むと
28分にて”六合目 雲海荘”に着く。
気温15℃、防寒着もカッパも持たない軽装で0時43分に新五合目登山口を出発する。月明かりでヘッデンを付けなくても見えなくはないが、念の為、ヘッデンを付けて行く。
1時間で”六合五勺目”の小屋に着く。出だしから数組のハイカーに抜かれたが、皆、何所かしろで休息しているので抜き返すことが出来た。いつもの牛歩ながら休息無しで歩き通すことにする。
”雲海荘”の右手から登山道に入ろうとすると、しっかりしたバリケードで通行止めとなっていた。こんなのでひるむ訳にはいかない。左手の柵を乗り越えて進む。
2時間43分にて”九合目 万年雪山荘”に着く。
2時間10分にて”八合目”の小屋に着く。ナイトハイクは夜景以外見えるものがないので小屋しか写すものがない。
九合五勺から山頂の奥社までは目の前の距離であるが、体が動かない。10歩進んでは息を整える始末。登山道にはへたり込んでいるハイカーが大勢居た。眠る人、高山病が酷いのか、引き返す人も多く居た。そんな中、3時間48分にて”浅間大社奥宮”に着く。
3時間13分にて”九合五勺”の小屋に着くと皆空を見上げていた。流星が見えるらしく、六つも見た娘も居るらしいが老眼のおいらには一つも見えなかった。
4時間01分にて”剣ヶ峰”(3,776m)に着く。御来光には興味がなかったが、東の空が紅に染まり出したので少し待ってみることにした。気温4℃、風が強くやたら寒い。
雲が厚いせいか、中々お陽さんが顔を出さない。後少し、もう少しと待っていると御来光まで35分も待ってしまった。
剣ヶ峰の山頂標識は各登山道から次々来るハイカーに占領されて、気の弱いおいらは恒例の証拠写真を撮って貰うことも出来なかった。
人混みの中にカメラだけを差し出して山頂標識だけでも撮っておく(序でに綺麗なお姉さんも!)。オフシーズンで静かになっているだろうと思っていたが、この季節でも富士山ブームは終っていなかった。
人混みの剣ヶ峰から逃げる様にお鉢廻りに入る。剣ヶ峰を下ってしまうと風が遮られポカポカと温かい。
剣ヶ峰で御来光と共に万歳三唱をしていたバカツアーハイカーもお鉢回りに入って来た。ガイドの先導で大きな声で万歳三唱するのは迷惑千万の行為だ。
登山道から西の”毛無山”方面を眺めると”影富士”が出来ていた。珍しいものではないと思うが、これを見れて嬉しかった。毛無山から冠雪した富士山を見た時は綺麗と思ったが、標高ダントツの富士山から見る山々はどれもみすぼらしく見える。
火口縁を回りながら”白山岳”に登るつもりだったのだが、道なりに進んで行くと火口への下りの道に入ってしまった。”白山岳”へは道順ロープを無視する必要があった。お鉢回りを四分の一程、周回した地点から朝焼けした”剣ヶ峰”を見る。
”白山岳”への道はロープでクローズドされていたが、微かな踏み跡が山頂へ続いていた。これだけ多くのハイカーが来ているのに”白山岳”に登ろうとしている人は居なかった。
”剣ヶ峰”を下ってから約30分で”白山岳”(3,756m)に着く。眼下に残雪が少し残った火口が望め、対面には”剣ヶ峰”が見え
る。大展望の山頂で一人寛ぐ。
白山岳山頂から見た河口湖、三ツ峠山、そして影富士。
白山岳山頂には山頂標識がなく、白骨化した鳥居があるのみ。こんな展望の良い頂きにどうして誰も来ないんだろう。おバカツアーハイカーが列をなしてお鉢回りをしているのが見えた。
”白山岳”を下山してお鉢回りに戻り、”白山岳”を振り返り見る。きつそうな登りに見えるがきつい斜度はなかった。
河口湖口登山道、須走口登山道が合流する”久須志神社”に着くとびっくりする位多くのハイカーがたむろしていた。パッと見では三分の一は外国人の様だ。さっさとここを通り抜ける。
180度周った剣ヶ峰の対面辺りから剣ヶ峰を見る。
須走口登山道を見る。まだ続々とハイカーが登って来ている。
お鉢回りに戻り、”浅間大社奥宮”に向かう。大日岳はハイカーで一杯だったのでトラバースを歩くことにした。
お鉢回りも終盤を迎え、剣ヶ峰、火口、白山岳を見る。天気が良くてよかったー!の感であり、ガスっていればこの展望は得られなかった。
少し下り、奥宮に向かう。剣ヶ峰の山頂は相変わらずハイカーで一杯だ。
ここからは火口の底までバッチリ見えたが、火口が湖になっていればもっと綺麗なのにと思ってしまう。
お鉢回り1時間06分にて”浅間大社奥宮”に戻ってくる。こちらは久須志神社と比べるとハイカーが少なく静かなものだ。
時刻はまだ6時25分であるが、下山に入る。
登り時、真っ暗の中、苦しめられた斜面を軽快に下って行く。
やはり景色を見ながらの歩きの方が数段楽しい。
下山15分にて”九合五勺目”に着く。このルートだけかも知れないが合目、小屋名の表示がまったく無く、HP作成マニア泣かせである。有名山なのだから表示だけでもして欲しい。
眼下にははっきりと駐車場が見て取れる。大きなザックのジジーとは最後まで付かず離れずで一緒だった。
下山29分にて九合目”万年雪山荘”に着く。小屋名の表示があったのはここと雲海荘だけだった。
朽ちた鳥居の柱に下から上まで一杯硬貨が挿されていた。こんな鳥居が山頂にもあった。
流石に百円硬貨は見当たらないが、この柱が両側に2本あるのだから、総額は結構ある感じがする。
下山48分にて”八合目”に戻る。宝永山に登りたくてクローズされているブルドーザ道を通り御殿場口登山道側に下山する。
誰一人として歩いて居ないブルドーザ道を行くのは不安で一杯になる。途中、細い脇道があったが、道は登りになっていたので、ここではないと無視してブル道を下ってしまった。これが御殿場口への道だったのかも知れない。
道さえ間違わなければ今頃は”宝永山”へのなだらかな道を歩いていたはず。まだチャンスはある。六合目から登り返すことが出来るのだ。
下山1時間06分、ブル道を脇道を探しながら下って行くと”七合目小屋”に戻ってしまった。登山道に戻ろうとすると頑丈な通行止フェンスに阻まれ、屈強そうな白人三人が理解出来ない表情で俺を見ていた。フェンスは越えられそうにないのでブル道に戻り、下から登山道に入る。
下山1時間24分にて”六合目”に戻る。小さなガキを連れたファミリーハイカー、既に息を切らしているメタボおじさん、ヨボヨボのジジーと多彩な人々が登って来る。
六合目に戻る頃、ガスが上がってきた。見上げる山頂にはガスは乗っていない。
ここから”宝永山”に登ることが出来るのだが、宝永山はガスに包まれて見えなくなってしまった。しばし考えた挙句、ガスで何も見えない山には登りたくないので、宝永山は中止とした。
下山1時間51分にて六合目”雲海荘”に戻る。この小屋のみ営業中であり、宿泊、食事も出来る。
下山2時間03分で無事、登山口に帰る。下り一方の下山道は飛ばせばもっともっと時間短縮出来そうだ。下山後、天気予報通りに小雨が降ってきたが、山頂は晴れていた。
登山口の少し上にある1億円トイレ。中は見ていないが伊吹山の1億円トイレより貧相に見える。そう言えばこの8時間の工程中、ポカリを少し飲んだけで飯も食べず、トイレにも行かずだった。
昔、飲料水も持たずに登ったのが充分可能だったのが再実証できた。
ここまで元気に歩けたが、九合目を過ぎた辺りから体が動かなくなってくる。足が疲れている訳でもなく、息が切れる訳でもないが、少し気分が悪くなってくる。高山病の前兆か。
日本百名山』  ”あっぱれ富士山、あっぱれ日本晴れ”  初のナイトハイクは面白くなかった。
ふじさん
「富士山に登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿」
日頃、山登りしない人でも一生に一度は富士山に登りたいと思う人は多い。日本一の名峰富士山に登らないのは日本人として何とも惜しい。しかし、登ってみれば岩だらけで大層なことはない。そんな富士山に二度登るやつの気がしれない。富士山はやはり遠くから眺めるに限る。